歴史と、地域らしい素材を使ったチャレンジ。部田(とりた)菓子店
店名:部田(とりた)菓子店
住所:〒093-0423 北海道常呂郡佐呂間町浜佐呂間276-1
電話:01587-6-2315
営業時間:8:30~19:30
定休日:不定休
(コロナウィルスの影響で、営業時間・定休日を変更している場合があります。)
家族経営で、かれこれ90年
昭和11年開業、おじいさんからで、私の代で3代目になります。かれこれ90年近い歴史があり、今は母、妻と引き続き家族経営でやっています。
小さい頃から、「後、継ぐの?」というような話もあり、気づいたらお菓子屋さんになっていました。父親やおじいちゃんのお菓子作りを見て育ち、中学生くらいの時からお店のお手伝いをしながらお菓子作りを見てきたこともあり、高校を卒業してから札幌のお菓子の専門学校に進学しました。当時はお菓子の専門学校が少なくて、この辺にも同級生のお菓子屋さんやパン屋さんが居るんですよ。
午前中には売り切れる、よもぎ餅
一番人気があるのはよもぎ大福餅。毎年、年に一回5月末から6月中旬に向けて、周辺のよもぎを手積みして、それを使ってよもぎ大福餅を作っています。これくらいの時期はちょうどよくて、柔らかさや香りなど、一番良い時期だと思って摘み取りに行っています。長年摘んでいるので、ここが減ってきたなとか、ここがたくさん生えるな、とか経験値もありますが、やはり少しずつ減ってきてはいて問屋さんで買ってみたりしたこともあったのですが、香りなど天然のものには敵いません。
よもぎは手積みしてすぐ変化が始まって、色だけでなく味も、酸味が増えたり劣化が進んでしまうので、取り扱いも実は繊細なものなので、管理も気を遣っています。
ちょっと変わった、ほたてパイ
ほたてパイも父親の代で作られた商品で、地元の北勝水産の帆立の燻油漬けと餡を合わせて作ったお菓子です。地元らしいお菓子として喜ばれています。
父の代では街や農協さんでも色々な原料生産のチャレンジがあって、父の方でもかぼちゃパウダーを使った羊羹や饅頭、パイなどたくさんのものを作っていたみたいです。
観光シーズンではオホーツク沿線の道路をドライブされる観光客の方々がお土産に地元らしいものを買いにこられています。実はお客さんも町外の人の方が多くて、7割は町外のお客さんですね。口コミでたくさんの人が買いに来てくれています。
基本を守って、実はこそっと挑戦を
昔からのメニューが多いので、餡などお店の歴史あるアイデンティティーは守りながら、生地などは実はチャレンジしている事もあります。100年前に作られた石臼も今でもつかっているのですが、これだけでしか出せない弾力があると思って、今は便利な機械も色々あるんですが、やっぱりこれを使っています。
なかなか手が回らない中でも少しづつでも挑戦していきたい事もあり、オホーツク産の小麦や小麦や燻油、カボチャや蕎麦粉など、地域らしい素材を使ったチャレンジもしています。良い材料があればさらに挑戦していきたいですね。