創業から100年超。佐呂間町と共に歩む老舗。弘内菓子舗

店名:明月堂 弘内菓子舗
住所:〒093-0502 北海道常呂郡佐呂間町永代町64
電話:01587-2-3623
営業時間:7:30~18:30
定休日:元旦
(コロナウィルスの影響で、営業時間・定休日を変更している場合があります。)

形を変えながら代々繋いだバトン

お店の創業は町史によると1914年なんですよね。もう100年を超える老舗なんです。
創業は遡ること佐呂間町へ入植当初の頃のようで、もともとは雑貨屋だったようなんです。
雑貨屋といっても、お客さんの要望を聞いたり、生活必需品を取り揃えるようななんでも屋さんのようなイメージです。
そして本格的にお店にお菓子を並べるようになったのは3代目からです。私はそんな代々続くお店の5代目です。当時は家業を継ぐことが当たり前と考えられてきた時代でしたから、学校を卒業する時には別業種の会社に内定をもらっていましたが、いずれ継ぐことを考えて札幌のお菓子屋で修行をすることにしました。

ストイックで守備範囲の広い名プレイヤー

そんなこんなで修行を積んで帰ってきて早28年。あっという間だったけど気持ちはまだまだ新人のつもりです。年齢的にはベテランと言われることもあるけど、実際はまだまだわからないことだらけなんです。同じお菓子を作っても、こっちの方が上手くできたなと感じるところに何事にも正解はないんだなと感じるんです。
年齢を重ねて昔より作業の早さや重労働には肉体的な衰えを感じることもありますが、技術にはこれまでも、そしてこれからもずっと磨きをかけていきたいです。なのでよく例えで私が使うのが、「ホームランバッターよりイチローのようなオールラウンダー」を常に目指しているんです。もちろん一点強みを伸ばすことが間違いではありませんが、いろんなことをやっていることに面白さを感じています。
だからこそ店頭には和菓子から洋菓子、パン、夏季限定でソフトクリームなどいろんな商品の取り扱いがあります。昔なんてポテトチップスやおもちゃなんて置いていたくらいですから。
雑貨屋をやっていた名残もありますが、幅広くいろんなことをやっていたからこそ、ここで長いことやってこれたんじゃないかな。

地域に根ざしたお店作りをこれまでも、これからも。

お店の看板商品は焼菓子の「かぼちゃっ娘」や「かぼちゃの里」です。先代のころからの人気商品で、道の駅でも取り扱っていただいている商品です。
ショーケースに入っているケーキ類は、私が札幌で修行していた頃の経験を活かして作っているんです。
今は慣れましたが、パン、ケーキ、焼き菓子と種類も豊富なため朝の仕込みのために深夜1時半に目が覚めることもあり大変ですが、子どもからお年寄りまで店内のイートインスペースで一緒に雑談をするのは楽しいですね。
昔はほかにもお菓子・ジュースも置いてましたが大手スーパーやコンビニの参入、コロナ禍の影響で通信販売の普及など、このお店の長い歴史の中でさまざまな時代の変化を感じてきました。そんな変わりゆく時代の中でも、うちは苦情が来たらすぐにでも駆けつけれるくらいの距離で、まずは地域のお客様をなにより大事にすることを今は心がけています。
なのでお店を訪れてくれるお客様のほとんどが地元の方ですが、道の駅にも商品をおいているので、ぜひ観光でいらっしゃる方には佐呂間町に来て手に取ってほしいですね。